睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者は、睡眠中に上気道(咽頭部)が閉塞することにより呼吸が止まり、脳が覚醒し大きな鼾(いびき)とともに呼吸を再開させます。
このサイクルを一晩中繰り返し、頻回の覚醒によって睡眠は中断され深睡眠が減少し、日中の眠気、倦怠感などに繋がります。

治療しないでいると糖尿病、高血圧、脳梗塞、不整脈、心筋梗塞、狭心症などの生活習慣病を引き起こす原因となります。

睡眠時無呼吸症候群の主な症状

SASになりやすい人
  • 肥満
  • 下顎が小さく後退している人
  • 扁桃肥大
  • 巨舌症
  • 鼻詰まりのひどい人
  • 首が太く短い人
  • 口蓋垂が長い人
症状
  • 鼾(いびき)
  • 日中の強い眠気、倦怠感
  • 熟眠感(熟睡感)がない
  • 朝起きた時に頭痛がする
  • 夜間トイレに行く
  • 運転中に居眠りをする
  • 集中力の低下
  • インポテンツ

いびき

睡眠時無呼吸症候群の患者さんの症状として一番多くみられるのは鼾(いびき)です。
鼾の中で、寝入りばなの鼾や体が疲れているときなどにかく一時的な鼾は、とくに問題ありませんが、大きな鼾、往復鼾(息を吸うとき・はくとき両方かく)、突然いびきが止まりしばらくして爆発音のような大音量とともに鼾をかくのは危険です。
鼾は、一緒に寝ているベッドパートナーの迷惑になるという考えがありますが、鼾をかいている本人は狭くなった気道に空気が通るため、苦しみながら呼吸をしているのです。
鼾を騒音としてではなく、健康の指標として考えましょう。

図 睡眠時無呼吸症候群の生命予後
図 睡眠時無呼吸症候群の生命予後
無治療の場合、中・重症者では9年後の生存率が63%に減少しています
図 AHI別の高血圧の頻度
図 AHI別の高血圧の頻度
SASが重症になればなるほど、高血圧になる確率が健常者に比べ約3倍に上がります
図 CPAP治療患者と未治療患者の比較
図 CPAP治療患者と未治療患者の比較
治療後は集中力が回復し交通事故が減少します

クリニックでの一泊入院 PSG(睡眠ポリグラフィー)検査

PSG検査は、睡眠時無呼吸症候群の確定診断に必要な検査です。

当院に一泊入院いただき、体に様々なセンサーをつけて、睡眠状態(レム睡眠/ノンレム睡眠/覚醒)を調べ、同時に無呼吸・低呼吸の有無、呼吸運動の有無、酸素の状態、体位などすべて記録します。

ベッドルーム(PSG検査)
ベッドルーム(PSG検査)

入院当日の流れ

時間 説明
17:30 ~
  • 入院手続き後、お会計・次回予約をお済ませください。
  • シャワー。正確な検査測定のために洗髪をお願いいたします。
  • 着替え
※ 夕食をとってからご来院ください。
18:30 ~
  • 電極の取り付け
20:30
  • 就寝・検査開始(8時間睡眠)
  • 眠れない場合は睡眠導入剤がございます(医師の指示により処方できない場合があります)。
※ 検査中にトイレに行くことが出来ますが、その際はナースコールでお知らせください。
(翌)5:00 ~
  • 検査終了、着替え、シャワー等
  • 身支度が整い次第、退院できます。
モニタリング室
モニタリング室

専門技師が生体パラメータをモニタリング

様々なセンサー(脳波・筋電図・呼吸センサー・血中酸素飽和度他)を取り付けて夜間の症状を測定します。

  • センサーの装着はスタッフが行います。
  • センサー類を装着した後や検査中でも、トイレに行くことが出来ます。
  • モニタリングするのはセンサー類のデータのみです。
※ 検査は眠るだけですので、痛みなどは全くありません。